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  Before（製作前）
  近年、性能や静粛性が飛躍的に向上した電子ドラムも、実際に自宅で叩いてみるとやはり打撃音は意外と大きく、思い切り叩くことを躊躇してしまうという状況でした。
  同じ悩みをお持ちの方は多いようでして、床への衝撃・振動対策についてはネット上で様々なアイデアが公開されており、それらを参考にさせて頂きました。
  100円ショップで買えるジョイントマット(床の保護目的)、コンクリートブロック(粉が出るのでビニール袋に入れています)、ニトリのバランスディスク、その上に厚目の木板を乗せ、さらに防音カーペットを敷くことで防振対策としています。この秀逸な防振システムはドラマー界で密かに「DFS（ディスクふにゃふにゃシステム）」(笑)と呼ばれ親しまれています。アイデアはもちろん、命名センスも実に素晴らしいと思います。
  しかし、打撃音に関しては相変わらずなかなか解決できずに悩んでいました。
  市販の防音ブースを導入するにも数百万円規模になりますし、設置すれば居住空間を狭くしてしまいます。
  色々と考えた末、イレクターと、遮音材・吸音材、防音カーテンを組み合わせた開閉式の防音ブースを自作することを思いつきました。
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  After（製作後）
  土台には、先に述べた「DFS（ディスクふにゃふにゃシステム）」を囲むようにイレクターパイプを矩形に組んで基礎部分として構築しています。
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  After（製作後）
  カーテンを閉めた使用時の外観です。試着室にしか見えませんが(笑)
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  After（製作後）
  カーテンを閉めた際の防音ブース内部の様子を、電子ドラム下から天井に向けて撮影したものです。

ドラム演奏は運動量に伴い相当な汗をかきますので、部屋の隅のエアコン下に設置しています。
室内が狭くなる印象を防ぐ為に、防音カーテンをオーダーメイドし(実はこれが一番高価な材料で9万円程掛かりました)、開閉式としているのが一番のポイントです。天井部分用にイレクターパイプの曲げ加工を注文して作って頂き、それに曲げられるカーテンレールを設置しています。
通常は、遮音材、吸音材の順にタッカーや接着剤を用いて壁に固定しますが、壁や天井を一切傷つけたくなかったので、あらかじめ遮音材と吸音材をスプレーのリで貼り合わせた防音材を、エレクターで作った骨組みによって壁や天井に押さえつけるという構造を採用しました。
パイプ同士のジョイントには全てメタルジョイントを使用していますので、防音材と共に分解・再利用が可能です。
練習時にはカーテンを閉めて内部は真っ暗な空間となってしまう為、別途照明が必要となります。そこで、リモコン付のコンセント式電源レールを天井のイレクターに沿って設置し、LED照明によってライブステージのような雰囲気を演出しています。
カーテンレールや電源レールの固定には、板を止めるプラスチックジョイントに小加工を施し、ネジとナットで固定しています。
正面の壁面にはワイヤーネットを設置したことで、防音材を押さえる効果を向上させる狙いと共に、ヘッドフォンやケーブル類などを掛けておくことも出来てとても便利です。今後はネット部分に譜面台などの設置も考えています。

製作過程では、適したサイズに吸音材をカットする際に内部のグラスウールによって肌がチクチクしたり、遮音材の重量(かなり重いです)により特に高所での作業に大変苦労しましたが、このドラムブースによって音漏れをほとんど気にしない練習が可能となり、苦労しながらも作った甲斐があり、とても満足しています。

イレクター　約20本（パイプカッターを使用し自分でカット）
ジョイント　26個
吸音材　600mm×900mm×50mm…8枚　　600mm×900mm×25mm…14枚
遮音材　900mm×10m…1巻
照明用電源レール　100mm…1本
LED照明　2組
防音カーテン　2枚1組
曲がるカーテンレール　
ワイヤーネット＆フック
ジョイントマット
コンクリートブロック
バランスディスク
木板
防音カーペット

レンチ、パイプカッター、電動ドリル、パイプカッター、のこぎり、ドライバー、タッカー、コニシボンドスプレーのリZ-3、ネジ類　他